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夏目漱石(慶応3年 – 大正5年)による短編小説
「こんな夢を見た。六つになる子供を負ってる。たしかに自分の子である。ただ不思議な事にはいつの間にか眼が潰れて、青坊主になっている。自分が御前の眼はいつ潰れたのかいと聞くと、なに昔からさと答えた。声は子供の声に相違ないが、言葉つきはまるで大人である。しかも対等だ。左右は青田である。路は細い。鷺の影が時々闇に差す。「田圃へかかったね」と背中で云った。「どうして解る」と顔を後ろへ振り向けるようにして聞いたら、「だって鷺が鳴くじゃないか」と答えた。」ーー
著者:夏目漱石
朗読:長尾奈奈
制作:声の書店
協力:株式会社 仕事
再生時間:
販売開始日:2025/
*聴き方、販売価格、購入方法、決済方法などは、各配信サイトにてご確認ください。
著者について
夏目漱石
慶応3年(1867)- 大正5年(1916)
江戸牛込馬場下(現、東京都新宿区喜久井町)生まれ。本名、金之助。