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夢十夜 第三夜(46)

夢十夜 第三夜

【日本近代文学名作選㊻】

夏目漱石

朗読 長尾奈奈

配信サイト

夏目漱石(慶応3年 – 大正5年)による短編小説
「こんな夢を見た。六つになる子供を負ってる。たしかに自分の子である。ただ不思議な事にはいつの間にか眼が潰れて、青坊主になっている。自分が御前の眼はいつ潰れたのかいと聞くと、なに昔からさと答えた。声は子供の声に相違ないが、言葉つきはまるで大人である。しかも対等だ。左右は青田である。路は細い。鷺の影が時々闇に差す。「田圃へかかったね」と背中で云った。「どうして解る」と顔を後ろへ振り向けるようにして聞いたら、「だって鷺が鳴くじゃないか」と答えた。」ーー

著者:夏目漱石
朗読:長尾奈奈
制作:声の書店
協力:株式会社 仕事
再生時間:06:48
販売開始日:2025/10/9

*聴き方、販売価格、購入方法、決済方法などは、各配信サイトにてご確認ください。

著者について

夏目漱石

慶応3年(1867)- 大正5年(1916)

江戸牛込馬場下(現、東京都新宿区喜久井町)生まれ。本名、金之助。帝国大学英文科卒業後、松山中学、第五高校で英語教師を経て、英国に留学。帰国後、東大講師となる。明治38年(1905)、『吾輩は猫である』で文壇に登場。『坊つちやん』『草枕』『三四郎』『それから』『門』『彼岸過迄』『行人』『こゝろ』『道草』『明暗』等、多くの傑作を執筆。近代日本を代表する文学者。