揺籃の唄の思ひ出(14)

揺籃の唄の思ひ出

【日本近代文学名作選⑭】

宇野浩二

朗読 長尾奈奈

配信サイト

宇野浩二(明治24年- 昭和36年)による童話『揺籃の唄の思ひ出』 「台湾の蛮地に近い、或る山の麓に、戸数は僅か二十軒にも足りない小さな村があった。その村はづれに正直者といふ評判の夫婦と、その間にお千代といふ、その時三歳になる可愛らしい女の子と、親子三人暮しのむつまじい家があった。指折り数へると今から丁度十五年前の冬の初めのことである。それは、年中暑い所の様に思はれて居るこの台湾でも、十一月の末といへば、況してそんな山里のことだから、蟲の聲さへ日毎にうら枯れて行く、夜となると凄い程さびしい時だ。」――

このオーディオブックは、2024年3月23日、日本近代文学館で上演した「朗読タイムレスストーリーシリーズ」を新たに収録した作品です。

著者:宇野浩二
朗読:長尾奈奈
制作:声の書店
協力:株式会社 仕事/ROUDOKU.TALKER.JP  
再生時間:00:28:08
販売開始日:2024/6/26
初出:大正4年(1915)「少女の友」

*聴き方、販売価格、購入方法、決済方法などは、各配信サイトにてご確認ください。

著者について

宇野浩二

明治24年(1891) -昭和36年(1961)

福岡県生まれ。本名、格次郎。早稲田大学中退。大正2(1913)年、小説集『清二郎 夢見る子』を処女出版。大正8(1919)年、「文章世界」に『蔵の中』を、「解放」に『苦の世界』を発表し、文壇的地位を確立。『子を貸し屋』『枯木のある風景』『思ひ川』『揺籃の唄の思ひ出』等、小説、随筆、童話、評論等、私小説風の作風を中心に多数を執筆した。