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夏目漱石(慶応3年 – 大正5年)による短編小説
「庄太郎が女に攫われてから七日目の晩にふらりと帰って来て、急に熱が出てどっと、床に就いていると云って健さんが知らせに来た。庄太郎は町内一の好男子で、至極善良な正直者である。ただ一つの道楽がある。パナマの帽子を被って、夕方になると水菓子屋の店先へ腰をかけて、往来の女の顔を眺めている。そうしてしきりに感心している。そのほかにはこれと云うほどの特色もない。あまり女が通らない時は、往来を見ないで水菓子を見ている。水菓子にはいろいろある。水蜜桃や、林檎や、枇杷や、」ーー
著者:夏目漱石
朗読:長尾奈奈
制作:声の書店
協力:株式会社 仕事
再生時間:
販売開始日:2025/
*聴き方、販売価格、購入方法、決済方法などは、各配信サイトにてご確認ください。
著者について
夏目漱石
慶応3年(1867)- 大正5年(1916)
江戸牛込馬場下(現、東京都新宿区喜久井町)生まれ。本名、金之助。