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雪女(34)

雪女

【日本近代文学名作選㉞】

小泉八雲

朗読 長尾奈奈

配信サイト

小泉八雲 / ラフカディオ・ハーン(嘉永3年 – 明治37年)による短編小説
「武蔵の国のある村に茂作、巳之吉と云う二人の木こりがいた。この話のあった時分には、茂作は老人であった。そして、彼の年季奉公人であった巳之吉は、十八の少年であった。毎日、彼等は村から約二里離れた森へ一緒に出かけた。その森へ行く道に、越さねばならない大きな河がある。そして、渡し船がある。渡しのある処にたびたび、橋が架けられたが、その橋は洪水のあるたびごとに流された。河の溢れる時には、普通の橋では、その急流を防ぐ事はできない。茂作と巳之吉はある大層寒い晩、帰り途で大吹雪に遇った。渡し場に着いた、渡し守は船を河の向う側に残したままで、帰った事が分った。泳がれるような日ではなかった。それで木こりは渡し守の小屋に避難した―避難処の見つかった事を僥倖に思いながら。」ーー

このオーディオブックは、2025年7月12日、日本近代文学館で上演した「朗読タイムレスストーリーシリーズ」を新たに収録した作品です。

著者:小泉八雲
朗読:長尾奈奈
制作:声の書店
協力:株式会社 仕事/ROUDOKU.TALKER.JP
再生時間:00:14:21
販売開始日:2025/9/2

*聴き方、販売価格、購入方法、決済方法などは、各配信サイトにてご確認ください。

著者について

小泉八雲

寛永3年(1850) – 明治37年(1904)

ギリシャ西部レフカダ島生まれ。出生名、パトリック・ラフカディオ・ハーン (Patrick Lafcadio Hearn)。イギリス、フランスで教育を受け、アメリカで新聞記者などを経て、明治23年(1890)に来日し、島根県松江中学に赴任、同年に小泉セツと結婚する。熊本五高、東京帝国大学、早稲田大学で教壇に立つ傍ら、日本各地の民話や怪談、伝承を英語で紹介し、西洋に日本文化を広めた。『怪談』『知られぬ日本の面影』『骨董』など。