「昔、京都に、若い武士があった、主家の没落のために貧しくなったので、遠国の守になって下る人に仕えることになった。都を去る時、この武士は妻を離別した、ー善良にして綺麗な女であった、ー実は立身のために別の縁組をしようと思ったのであった。それから或る家柄の娘と結婚して、自分の任地へ連れて行った。しかしこの武士が、愛情の価値を充分理解しないでそれ程無造作に捨て去ったのは、無分別な青年時代で、苦しい貧乏をしている時であった。彼の第二の結婚は幸福ではなかった。」ーー
著者:小泉八雲
訳:田部隆次
朗読:長尾奈奈
制作:声の書店
協力:株式会社 仕事
再生時間:
販売開始日:2026/
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寛永3年(1850) – 明治37年(1904)
ギリシャ西部レフカダ島生まれ。出生名、パトリック・ラフカディオ・ハーン (Patrick Lafcadio Hearn)。イギリス、フランスで教育を受け、アメリカで新聞記者などを経て、明治23年(1890)に来日し、島根県松江中学に赴任、同年に小泉セツと結婚する。熊本五高、東京帝国大学、早稲田大学で教壇に立つ傍ら、日本各地の民話や怪談、伝承を英語で紹介し、西洋に日本文化を広めた。『怪談』『知られぬ日本の面影』『骨董』など。