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仙人(40)

仙人

【日本近代文学名作選㊵】

芥川龍之介

朗読 長尾奈奈

配信サイト

芥川龍之介(明治25年 – 昭和2年)による短編小説
「皆さん。私は今大阪にいます、ですから大阪の話をしましょう。昔、大阪の町へ奉公に来た男がありました。名は何と云ったかわかりません。ただ飯炊奉公に来た男ですから、権助とだけ伝わっています。権助は口入れ屋の暖簾をくぐると、煙管を啣えていた番頭に、こう口の世話を頼みました。「番頭さん。私は仙人になりたいのだから、そう云う所へ住みこませて下さい。」番頭は呆気にとられたように、しばらくは口も利かずにいました。「番頭さん。聞えませんか?私は仙人になりたいのだから、そう云う所へ住みこませて下さい。」」ーー

著者:芥川龍之介
朗読:長尾奈奈
制作:声の書店
協力:株式会社 仕事
再生時間:
販売開始日:2025/

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著者について

芥川龍之介

明治25年(1892) – 昭和2年(1927)

東京生まれ。東京帝大英文科卒。在学中に雑誌「新思潮」(第三次)を刊行。短編『鼻』が夏目漱石に激賞され、翌年、初の短編集『羅生門』を出版。古今東西の歴史や古典より材をとり、『奉教人の死』『杜子春』『河童』『歯車』『或阿呆の一生』等、多数の作品を執筆した。