山月記(21)

山月記

【日本近代文学名作選㉑】

中島敦

朗読 長尾奈奈

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中島敦(明治42年 – 昭和17年)による短編
「隴西の李徴は博学才穎、天宝の末年、若くして名を虎榜に連ね、ついで江南尉に補せられたが、性、狷介、自ら恃むところ頗る厚く、賤吏に甘んずるを潔しとしなかった。いくばくもなく官を退いた後は、故山、虢略に帰臥し、人と交を絶って、ひたすら詩作に耽った。下吏となって長く膝を俗悪な大官の前に屈するよりは、詩家としての名を死後百年に遺そうとしたのである。しかし、文名は容易に揚らず、生活は日を逐うて苦しくなる。李徴は漸く焦躁に駆られて来た。」ーー

このオーディオブックは、2024年7月13日、日本近代文学館で上演した「朗読タイムレスストーリーシリーズ」を新たに収録した作品です

著者:中島敦
朗読:長尾奈奈
企画/制作:声の書店
協力:株式会社 仕事/ROUDOKU.TALKER.JP
再生時間:00:22:42
販売開始日:2024/10/8
初出:昭和17年(1942)「文学界」

*聴き方、販売価格、購入方法、決済方法などは、各配信サイトにてご確認ください。

著者について

中島敦

明治42年(1909) – 昭和17年(1942)

東京四谷生まれ。東京帝大国文科卒。漢学者の家系で育ち、横浜高女の教師のかたわら創作を重ねる。教師を辞職し、南洋庁の教科書編修書記としてパラオに赴任中、昭和17(1942)年、『文學界』に「山月記」「文字禍」を発表。同年『光と風と夢』が芥川賞候補になる。帰国後、執筆に専念するも持病の喘息の悪化のため33歳で急逝。『名人伝』 『弟子』 『李陵』『マリヤン』など。