最後の一句(13)

最後の一句

【日本近代文学名作選⑬】

森鴎外

朗読 長尾奈奈

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森鴎外(文久2年- 大正11年)による短編小説『最後の一句』
「元文三年十一月二十三日の事である。大阪で、船乘業桂屋太郎兵衞と云ふものを、木津川口で三日間曝した上、斬罪に處すると、高札に書いて立てられた。市中到る處太郎兵衞の噂ばかりしてゐる中に、それを最も痛切に感ぜなくてはならぬ太郎兵衞の家族は、南組堀江橋際の家で、もう丸二年程、殆ど全く世間との交通を絶つて暮してゐるのである。この豫期すべき出來事を、桂屋へ知らせに來たのは、程遠からぬ平野町に住んでゐる太郎兵衞が女房の母であつた。」――

このオーディオブックは、2024年3月23日、日本近代文学館で上演した「朗読タイムレスストーリーシリーズ」を新たに収録した作品です。

著者:森鴎外
朗読:長尾奈奈
制作:声の書店
協力:株式会社 仕事/ROUDOKU.TALKER.JP  
再生時間:0:34:54
販売開始日:2024/6/26
初出:大正4年(1918)「中央公論」

*聴き方、販売価格、購入方法、決済方法などは、各配信サイトにてご確認ください。

著者について

森鴎外

文久2年(1862) – 大正11年(1922)

石見国(現、島根県)生まれ。本名、森林太郎。東大医学部卒業後、陸軍軍医となり、明治17(1884)年から4年間ドイツへ留学。帰国後、明治22(1889)年『国民之友』に、訳詩集『於母影』を発表。文芸評論誌『しがらみ草紙』を創刊し、啓蒙的文筆活動を開始。翌年、日本人留学生とドイツ女性との悲恋を描いた小説『舞姫』を発表。明治25(1892)年より、翻訳『即興詩人』を連載。日清戦争に出征。帰国後『めさまし草』を創刊。明治37(1904)年、日露戦争に従軍。『スバル』創刊後は『ヰタ・セクスアリス』『青年』『雁』などを発表。歴史小説『興津弥五右衛門の遺書』『阿部一族』『高瀬舟』、史伝『渋江抽斎』を執筆。日本近代文学の礎を築いた文学者。