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非情な男(33)

非情な男

【日本近代文学名作選㉝】

山川方夫

朗読 長尾奈奈

配信サイト

山川方夫(昭和5年 – 昭和40年)による短編小説
「私は顔をあげた。やはり彼女だった。窓ごしに彼女の眼が、哀願するように私をみつめている。開けてくれというのだ。黒い窓に、彼女は音をたてる。しだいに強く、執拗に、その音がつづいている。彼女は身もだえをし、全身で私に合図している。……だが、私には彼女を部屋に入れてやる気は毛頭ない。だんじてない。そんなことをしたら、かえって面倒なことになってしまうだけだ。」ーー

著者:山川方夫
朗読:長尾奈奈
制作:声の書店
協力:株式会社 仕事
再生時間:00:09:53
販売開始日:2025/9/2

*聴き方、販売価格、購入方法、決済方法などは、各配信サイトにてご確認ください。

著者について

山川方夫

昭和5年(1930) – 昭和40年(1965)

東京生まれ。本名、嘉巳。慶應義塾大学大学院中退。第3次『三田文学』を田久保英夫、桂芳久と共に復刊。同誌に『日々の死』を連載。昭和33(1958)年『演技の果て』『その一年』『帰任』『海の告発』を「文學界」に、発表。ショート・ショートの分野でも活躍。『お守り』は海外の雑誌に紹介された。『海岸公園』『クリスマスの贈物』 等により嘱望されたが、昭和40年、輪禍に遭い急逝。没後『愛のごとく』などが出版された。