鮫人の感謝(64)

【日本近代文学名作選(64)】

鮫人の感謝

小泉八雲

朗読 長尾奈奈

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「昔、近江の國に俵屋藤太郎と云ふ人があった。家は名高い石山寺に遠くない、琵琶湖の岸にあった。彼には相應の財産もあって、安樂に暮らしてゐたが、二十九歳にもなって未だ獨身であった。彼の大野心は絶世の美人を娶ることであったから、気に入る少女を見出す事ができなかった。或る日、瀬多の長橋を通ると、欄干に近く蹲って居る妙な物を見た。その物は體は人間のやうだが、墨のやうに黒く、顔は鬼のやうであった、」ーー

著者:小泉八雲
訳:田部隆次

朗読:長尾奈奈
制作:声の書店
協力:株式会社 仕事
再生時間:
販売開始日:2026/

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ABOUT THE AUTHOR

寛永3年(1850) – 明治37年(1904)

ギリシャ西部レフカダ島生まれ。出生名、パトリック・ラフカディオ・ハーン (Patrick Lafcadio Hearn)。イギリス、フランスで教育を受け、アメリカで新聞記者などを経て、明治23年(1890)に来日し、島根県松江中学に赴任、同年に小泉セツと結婚する。熊本五高、東京帝国大学、早稲田大学で教壇に立つ傍ら、日本各地の民話や怪談、伝承を英語で紹介し、西洋に日本文化を広めた。『怪談』『知られぬ日本の面影』『骨董』など。