海の誘惑(2)

海の誘惑

【日本近代文学名作選②】

岸田國士

朗読 長尾奈奈

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岸田國士(明治23年-昭和29年)による随筆。
「人影のない夕暮の砂浜を、たゞ一人、歩いてゐることが好きでした。それは私の感傷癖と別に関係はないやうです。水と空とを包む神秘な光に心を躍らせる外、一向追憶めいた追憶にふけるわけでもなかつたのですから。まして、月が波の上に出るのを待つて、ロマンスの一節を口吟むほど甘美なリヽシズムをも持ち合せてゐない私なのですから。が、然し、それは、私の空想癖とは密接な交渉があるらしく思はれます。」――

著者:太宰治
朗読:長尾奈奈
制作:声の書店
協力:株式会社 仕事
再生時間:00:12:06
販売開始日:2021/3/2
初出:大正14年(1925)「女性 」 

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著者について

岸田國士

明治23年 (1890) – 昭和29年 (1954)

東京生まれ。陸軍士官学校を経て少尉として任官後、退役。東京帝大仏文選科に入学、フランス近代戯曲に興味を深め、大正8(1919)年に渡仏。ジャック・コポー、ジョルジュ・ピトエフらを中心に演劇を学ぶ。帰国後、「演劇新潮」に戯曲『古い玩具』『チロルの秋』を発表。『紙風船』『牛山ホテル』『暖流』等、数々の作品を執筆。文学立体化運動を提唱する雲の会を結成し、新劇の指導者、演出家として活躍した。