
太宰治(明治42年 – 昭和23年)による短編小説
「メロスは激怒した。必ず、かの邪智暴虐の王を除かなければならぬと決意した。メロスには政治がわからぬ。メロスは、村の牧人である。笛を吹き、羊と遊んで暮して来た。けれども邪悪に対しては、人一倍に敏感であった。きょう未明メロスは村を出発し、野を越え山越え、十里はなれた此のシラクスの市にやって来た。メロスには父も、母も無い。女房も無い。十六の、内気な妹と二人暮しだ。この妹は、村の或る律気な一牧人を、近々、花婿として迎える事になっていた。」ーー
このオーディオブックは、2025年4月12日、日本近代文学館で上演した「朗読タイムレスストーリーシリーズ」を新たに収録した作品です。
著者:太宰治
朗読:長尾奈奈
制作:声の書店
協力:株式会社 仕事/ROUDOKU.TALKER.JP
再生時間:00:35:32
販売開始日:2025/7/3
*聴き方、販売価格、購入方法、決済方法などは、各配信サイトにてご確認ください。
著者について
明治42年 (1909) – 昭和23年 (1948)
青森県北津軽郡生まれ。本名、津島修治。中学時代から同人誌へ習作を発表。昭和10(1935)年『逆行』が第1回芥川賞候補となる。翌年、第一創作集『晩年』を刊行。以後、『富嶽百景』『津軽』『ヴィヨンの妻』『人間失格』等多くの作品を執筆。